「流山・空き家を生まないプロジェクト フェスタ2026」に参加して

― 私たちの現在地を見つめ直すきっかけになりました ―

本日、「流山・空き家を生まないプロジェクト フェスタ2026」に参加してきました。
空き家に関わる仕事をしている私たちにとって、非常に示唆に富む内容であり、同時に、あらためて自社の立ち位置を考えさせられる時間でもありました。

講演では、不動産の問題としての“空き家”ではなく、相続・家族関係・意思決定・地域社会といった広い視点から空き家問題が語られていました。
印象的だったのは、「空き家対策は、空き家になってからでは遅い」という言葉です。

実際、空き家の多くは相続をきっかけに発生します。
住む人がいなくなった後に売却や活用を考える頃には、建物は傷み、書類は散逸し、相続人の意思もまとまりにくくなり、選択肢は大きく減ってしまう。
つまり、空き家問題の本質は「建物の老朽化」ではなく、準備不足と意思決定の先送りにあるということでした。


私たちの現在地

私たちつむぐむらいふ株式会社がこれまで主に取り組んできたのは、
「すでに空き家となってしまった家」に対し、活用方法の提案や売却プランの設計、片付けや整理のサポートなどを行うことです。

これは確かに必要とされる仕事であり、実際に多くのご相談をいただいてきました。
しかし今回の講演を通して、はっきりと認識したことがあります。

私たちは“問題が発生した後”を支援している。
一方で、プロジェクトが目指しているのは
“問題を発生させない社会”をつくることでした。

空き家の相談に来られる方の多くは、
「もっと早く考えておけばよかった」
とおっしゃいます。

・親が元気なうちに話し合っていれば
・名義を確認していれば
・片付けを少しずつ進めていれば

そうした“少しの準備”があれば、負担は大きく変わっていたはずです。


正直な気持ち

今回、率直に感じたのは、共感と同時に少しの羨ましさでした。

「住まいの終活」という考え方。
これは、実は私たち自身がやりたいと考えてきた方向性でもあります。
ただ、それを個社として進めるには限界がありました。相続、法律、税金、介護、地域との関係…。一つの会社だけで完結する問題ではないからです。

今回のプロジェクトでは、不動産業、司法書士、税理士、建築、地域団体などがネットワークとして連携し、空き家になる前の段階から相談を受ける体制が構築されていました。
個人の努力ではなく、仕組みとして地域で取り組む空き家対策が実際に動いていることに、強い可能性を感じました。


これからの私たち

私たちはこれまで、空き家となった住宅の活用や売却をお手伝いしてきました。
しかし、これからはそれだけでは不十分だと感じています。

空き家対策は、不動産の仕事である前に、
暮らしの準備の仕事です。

・実家をどうするのか
・誰が管理するのか
・売るのか、貸すのか、残すのか
・家族でどのように合意するのか

これらは不動産取引の話ではなく、家族の意思決定そのものです。

私たちは「空き家の処理」をする会社ではなく、
住まいの将来を一緒に考える伴走者でありたいと考えています。

すぐに大きな仕組みを作れるわけではありませんが、
空き家が生まれてからではなく、空き家が生まれる前から相談できる存在へ。
今回のフェスタは、その方向へ一歩踏み出す必要性を強く感じさせてくれました。

空き家は突然生まれるものではありません。
長い時間の中で、ゆっくりと“準備されずに”生まれていきます。

だからこそ、私たちも「起きた問題を解決する会社」から、
問題が起きない未来を一緒に作る会社へと、少しずつ役割を広げていきたいと思います。

今回このような機会をいただき、多くの学びを得られたことに感謝いたします。
そして、地域の中で私たちにできることを、あらためて考え続けていきます。