次に新しくそこに住む方のことも考え
ご縁を準備すること、それも私達不動産会社の大切な仕事です!!
少し前に残置物ごと買い取らせていただいた40年くらい前の住宅街の中にある物件での出来事です。
片付け作業をするご挨拶周りをしていて
お隣に伺いました。何度目かの訪問でした。
「中を見せてもらうことなんて、できませんよね?」遠慮がちに言われました。
「どうぞどうぞ、ぜひ」とお伝えして、
そのままご案内しました。
懐かしそうに室内を見回されます。
「亡くなった奥さんは、良い物を買うおしゃれな人でしたよー」
そうおっしゃりながら、色々なものを手に取られます。
お子様は全て要らないとのことでしたので、
「もしよろしかったら、必要なものはお持ちください」とお伝えしました。
お隣様はとても喜ばれて、何点も大切そうにお持ち帰りになられました。
お子様にとっては「処分してほしい物」
でも、
長年お隣で暮らしてこられた方にとっては「大切な思い出の品」だったのです。
――ああ、この物たちは、ここに残るべきだったんだな、と思いました。
――
この出来事があってから、お隣様との関係がぐっと近くなりました。
その後の測量での立会いも、植栽の越境の対応も、とてもスムーズに進みました。
思い出の品をお渡ししたことで生まれた信頼関係が、その後の作業を円滑にしてくれたのです。
――
私は、その土地に新しく住まわれる方が少しでもその地域に受け入れられて、早く馴染めるようにと、売却の前に近隣の方には何度もお会いして、お話ししていくようにしています。
家を買うということは、「土地」や「建物」を買うだけではなく、「その地域の一員になる」ということでもあるからです。
今回も、お隣様との良好な関係があったからこそ、測量や越境の問題も気持ちよく解決できました。そしてきっと、ここに新しく住まわれる方も、お隣様から温かく迎えられるのではないかと思います。
そこには、もう間もなく新しい家が建ち上がるそうです。
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物が、人と人をつなぎ、ご縁が、次のご縁を紡いでいく。
亡くなった奥様の「良い物を大切にする心」は、お隣様を通じて、この地域に残り続けます。
不動産の売却や空き家の整理は、単に「物件を処分する」ということではありません。
次の人へ、良い形でバトンを渡すこと。
そして、
地域とのご縁も一緒に引き継ぐこと。
それが、私たちが目指している姿です。
ご縁は、偶然訪れるものではなく、準備することができるものなのだと思います。
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もし、「家をどうしたらいいかわからない」そんなお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
一緒に、次の方へ良い形でバトンを渡す方法を考えていきましょう。

